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「先輩。付き合うことに何か意味があるんですかね。」
時計を気にしながら宿題を広げていたあたしに、後輩がぼそりと言った。
恋バナをしていたのだ。
「ほら、私ってバス通じゃないですか。だから一緒に帰ったりとか出来ないし。土日も忙しいし、平日とかも私の科じゃ休み時間あまりないじゃないですか。まあ好きな人いないんでどうもこうもないですけれど。」
最後の一言を抜けば、あたしの考えとほぼ同じだった。
確かに、この気持ちを伝えたい、っていうのはある。
でもだからって付き合って欲しいとか言いたいのではない。
ただ気持ちを打ち明けることでスッキリしたいのだ。
だから、告白できなかった。
どうこうして欲しいワケでもないのにコクるなんて彼の気を煩わせるだけだ。
受験で皆ただでさえ切羽詰ってるというのに、そんなことしたくない。
後輩の言葉に、あたしは何と答えたのだろうか。
確か、納得しつつも、何かそれらしき言い訳をした気がする。
きっと寂しかったんだろう、切なかったんだろう。
そういう理屈で自分の恋を無理やり終わらせてしまうことが。
PM 10:00
中途半端だった宿題を閉じ、上着を更に被って外に飛び出した。
嗚呼 この山はいつ来ても綺麗な星空が見える。
初めての合宿もこの山だった。
こんなに星は綺麗で突き刺すような光を持ち、
こんなに月は柔らかに夜道を照らすのだと知った。
この夜は たくさんの流れ星を見た。
オリオン座の流星群だったらしい。
もう帰ろうかという時、
シートの上に寝転がっていたあたしたちの上で
夜空の端から端へ ひとつの大きな流れ星が翔けていった。
ああ
きっと彼氏彼女になるってことは、
そんな景色を観る言い訳を
幸せだと思える時間を増やすためのきっかけを
つくることなんだろうか、と今思う。
街で彼を見かけたり、耳に彼の名が入ったりすると、未だに気になってしまうけれど、
もう大丈夫
次の恋に進む決心はできた
次の恋をつかむ勇気を持てた
さよなら
PS:後輩のセリフは若干口調を変えてきますが苦情は承りません。でもだいたいこんなかんじ(?)
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